胎児

胎児の心拍数で正常値は?早い、遅いで異常ある?

多くの妊婦さんは妊娠検査薬・生理の遅れ・つわりなどで、妊娠を自覚しますよね。それで、妊娠を診断してもらうために産婦人科に向かう訳ですが、早い時期だと胎嚢しか見えないこともあるでしょう。

ちなみに、胎嚢は赤ちゃんの入っている袋で、妊娠4~5週くらいの状態です。この時期ではまだ心拍の確認は難しく、「次の検査で心拍を確認しましょう。」と医師から言われることが多いです。

そして、次の検査で心拍が確認できるとやっと妊娠として診断されて、保健所などに母子手帳を貰いに行くことになります。

心拍で妊娠の判断をするくらい、心拍はとても重要なものです。妊娠の判断以外に、胎児の異常の可能性が判断できることもあります。私たちでも心拍で体調を判断することもあるくらいですから、同じ人間である胎児も同じです。

では、胎児の心拍数の正常値はどのくらいか、早い・遅い場合に考えられる異常はないか、見ていきましょう。


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・心拍が確認できるのは妊娠6週くらいから

心拍が確認できて妊娠として診断されるのですから、妊娠を待ち望んでいる方なら、「いつ心拍が確認できるのだろう?」と気になってしまいますよね。

初めての心拍は、妊娠6週以降の経腟エコーで確認できることが多いです。ただ、これはあくまでも目安の時期で、妊娠6週になってもまだ心拍が確認できない方もいます。

もちろん、この時期に心拍が確認できなくても、一概に胎児に何らかの異常があるとは言い切れません。

生理が不規則だったり、生理予定日がズレていたりすれば、妊娠週数にもズレが生じるのは当たり前です。

妊娠6週前後の妊婦検査で心拍が確認できない場合は、このようなことも踏まえた上で「次の検査でもう一度心拍を確認しましょう。」と言うことになります。

ここで、心拍が確認できれば、流産・子宮外妊娠などの可能性は減ります。どんなに遅くても妊娠8週までに心拍が確認できる方が多いので、ひとまずこの時期まで気長に待ちましょう。

・心拍の確認方法は妊娠週数によって色々

妊娠初期でも早い段階では、主に経膣エコーで胎児の心拍を確認します。

ある程度妊娠週数が進んで妊娠10週前後になると、超音波を利用した「ドップラー聴診器」で心音を確認できます。ドップラー聴診器と言う名前を言うと、どんな聴診器なのか分からないかも知れませんね。

でも、「ママさんのお腹にジェルを塗って、プローブを当てる。」と言えば、すぐに分かるでしょう。妊婦検診でも何度か経験があるでしょうし、まだ未経験の方もこれから経験するはずです。

それから、聴診器には「トラウベ聴診器」と言うものもあり、ママさんのお腹にラッパ型の部分を当てて心音を聞きます。妊娠16週以降になって赤ちゃんがある程度大きくなると、トラウベ聴診器でも心音が聞けるようになります。

この他、妊娠後期で出産が近づくと、ノン・ストレステスト(NST)を行う医者もあります。ノン・ストレステストは横になった状態でお腹に機械を付けて、胎児の心拍数を測定するものです。

この中でドップラー聴診器・トラウベ聴診器は、家庭用に販売されています。

・胎児の心拍数の正常値は1分間あたり110~160回

胎児の心拍を聞いたことのある方だと、聞いた瞬間「こんなに早くて大丈夫なの?」と心配してしまうかも知れません。もちろん、胎児の心拍は私たちの心拍よりもずっと早いので、医師から何か言われなければ特に気にすることはありません。

ちなみに、胎児の心拍数の正常値は、1分間あたり110~160回の範囲内と言われています。とは言っても、これは妊娠10週以降の心拍数で、妊娠9週頃だと1分間あたり170~180の心拍数になるようです。

さらに、まだ心拍の確認が難しい妊娠5週だと、1分間あたり90~100回と言われています。妊娠週数によって胎児の心拍数は大きく異なるのですが、多くの方が重視しているのがやはり妊娠10週以降の心拍数でしょう。

妊娠後期のノン・ストレステストでは、心拍数が正常範囲内であるかの他、心拍数の変動・胎動による一時的な心拍数の上昇の有無・一時的な心拍数の低下の有無などもチェックします。そこで、特に異常が見られなければ、胎児に異常がないものとして判断されます。


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・胎児の心拍数で分かるのは出産に耐えられるかどうか

それほど重大な異常を指摘されたのでなければ、胎児の心拍数を気にすることはあまりないでしょうね。なので、こんなママさんほど「胎児の心拍数って、確認する必要があるの?」などと、疑問を持つかも知れません。

もちろん、妊婦健診で無意味な検査はしません。意味のある検査だから行う訳です。それで、胎児の心拍数で分かることは、胎児の心臓が正常に機能しているかどうかです。

心拍数と一緒に心拍のリズム・間隔なども確認して、心拍が早すぎるか遅すぎるか、リズムが不規則になっていないかなどを診ます。

もし心拍の不規則な状態が長く続く場合には、心臓に何らかの異常があったり、胎児機能不全であったりなどが考えられます。

ちなみに、胎児機能不全と言うのは、胎児が元気であるとは言えない状態です。つまり、元気であるかどうか怪しい状態です。出産前に胎児のこのような状態を知ることで、赤ちゃんが出産に耐えられるのかを判断します。

・胎児の心拍が早いと胎児水腫やダウン症の危険性が!

胎児の心拍数が多少正常値を超える分には、それほど気にすることはありません。ちょっとしたことで、心拍が上がることはよくありますから。

ただ、あまりにも心拍が早い時、早い状態が長く続く場合には、「胎児頻脈性不整脈」の可能性が考えられます。胎児頻脈性不整脈は、1分間あたり180回以上の心拍数であることで疑われる症状です。

残念ながらこの症状の治療法はなく、万一心拍の早い状態が長く続くと「胎児水腫」と言う病気に繋がる危険性があります。胎児水腫は胎児の全身にむくみが出たり、お腹・胸などに水が溜まったりする病気です。

出産を迎える前、あるいは出産後すぐになくなってしまうこともあるので、症状によっては帝王切開で出産を早めることがあります。胎児水腫以外にはダウン症などの障害で、心臓に合併症が出て心拍数が早くなることもあります。

・胎児の心拍が遅いと胎盤・へその緒などの異常も!

胎児の心拍が遅い場合も早い場合と同じで、多少正常範囲内から外れている分には特に問題ありません。実は、胎児の心拍は、子宮収縮によって遅くなることがあるのです。

子宮が収縮すると胎児の頭が圧迫され、迷走神経の反射が起こって胎児の心拍数が一時的に減って、収縮が終わるとまた元の心拍に戻ります。もちろん、このような場合は生理的現象として、特に問題はありません。

ただ、胎児の心拍が極端に正常範囲内から外れている場合には、まず妊娠初期だと流産の危険性があります。それから、妊娠中期以降で子宮収縮よりも遅く心拍が遅くなる場合には、子宮内の血流・胎盤の機能の低下などが考えられます。

子宮収縮とは無関係に心拍が遅くなる場合には、へその緒の圧迫が考えられます。心拍の遅い状態が長く続く場合には、へその緒の異常・胎盤の機能低下などが考えられます。

このまま妊娠を継続して出産を迎えることでリスクが考えられる場合には、帝王切開で出産を早めることがあります。いずれにしても慌てることなく、医師を信じてリラックスして残りの妊娠期間・出産を迎えることが大切です。

・まとめ

妊婦健診の超音波検査で胎児の心拍が確認できるのは、妊娠6週以降で遅くても妊娠8週までに確認できることが多いです。

それで、胎児の心拍数の正常値は、妊娠10週以降で1分間あたり110~160回と言われています。胎児の心拍数を確認することで分かることは、胎児が元気であるか、出産に耐えられるかどうか。

胎児の心拍が早いと胎児水腫・ダウン症などの可能性が、胎児の心拍が遅いと流産・子宮内の血流低下・胎盤の機能低下・へその緒の異常などの可能性が考えられます。

これらの中には胎児の命の危険性があるものもあれば、帝王切開で出産を早める必要があるものもあります。いずれにしても胎児の心拍の早い・遅いは、ママさんの努力で何とかなることは少ないです。

できることと言えば、妊娠期間をいかにリラックスして過ごすかです。異常を指摘されて「落ち着け!」と言われても難しいでしょうが、医師を信じて大変な妊娠・出産を乗り切れると良いですよね。


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