夫婦の染色体異常は今だけではなく、将来にとってもとても重要な問題です。染色体異常は不妊・流産などの原因にもなりますし、無事に妊娠できたとしてもまだ先天性の疾患・障害などの可能性も残っています。

もちろん、染色体異常には色々な症状の表れ方があり、全く症状が表れない方もいます。でも、症状が現れないからと言って、染色体異常が絶対に子に遺伝しないと言う訳ではありません。

親戚に先天性の疾患・障害のある人がいたり、自分自身は染色体異常だったり、あるいは不妊や流産を繰り返したり。こんな場合には夫婦のどちらかに染色体異常があるかも知れないことも、視野に入れた方が良いでしょうね。

「不妊や流産を繰り返す。」と言うのは決して正常な状態とは思えないですし、染色体異常に限らず何らかの問題が見つかるかも知れません。では、染色体異常の検査方法について見ていきましょう。

・染色体異常で流産する確率はどのくらい?

まず、染色体異常を検査してすると、男性に異常が見つかる確率も、女性に異常が見つかる確率も数%と言われています。そもそも、受精卵は着床までの間に細胞分裂を行うのですが、この細胞分裂で何らかの間違いがあると染色体異常になります。

それで、初期流産を経験する人は、10人に数人と言う確率。しかも、流産を繰り返すと、染色体が部分的に誤った状態で結合することがあります。

また、夫婦のいずれかに染色体異常がある場合には、流産する可能性がなんと7割以上もあるようです。

女性だけではなく男性にも染色体異常が確認できる場合もあるので、染色体異常の検査を受けるとしたら、できるだけ男性の方にも協力を求めることをお勧めします。

もちろん、どういう結果であれ、原因のある人を責めるのは無しにして、夫婦で将来的な問題をじっくり考えましょう。


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・染色体異常の検査内容は?

「夫婦で染色体異常の検査って、どんなことをするのだろう?」と、疑問に思っている方は多いでしょう。

簡単に受けられる検査内容であれば良いのですが、複雑な検査や体に負担のかかる検査だと、受けるための覚悟も必要ですし、できることなら事前に検査内容を知っておきたいですよね。

具体的な検査内容としては、末梢血液中のリンパ液、骨髄・胎盤絨毛・精巣などの組織を採取し、一定期間培養して細胞分裂をさせてから分析します。

ちなみに、わざわざ細胞分裂をさせるのは、染色体異常の検査に分裂中期の細胞が必要だからです。「染色体異常の検査は、夫婦のどちらかがすれば大丈夫だろう。」と思っている方もいるかも知れません。

それで、染色体異常の可能性が考えられる側だけが、染色体異常の検査を受けることもあるでしょう。でも、医療機関によっては、染色体異常の検査を受ける条件として、夫婦揃って検査を受けることにしているところもあります。

さらに、染色体異常が確認できた場合でも、夫婦のどちらに染色体異常が確認できたのかまでは、伝えないようにしている医療機関もあります。

・超音波のNT値で染色体異常が分かる?

妊娠してからの染色体異常の検査と言えば、まずは超音波のNT値があります。具体的には赤ちゃんの首の後ろ側を確認して、むくみがあるかどうかで染色体異常の可能性を調べます。

首の後ろ側のむくみは「NT値」と言う数値で表されるのですが、NT値が高いほど染色体異常の可能性が高くなります。いや、染色体異常だけではなく、心疾患・感染症などの可能性が疑われることもあります。

とは言っても、超音波のNT値は赤ちゃんの姿勢によって誤差が生じやすいもので、あくまでも染色体異常・心疾患・感染症などの可能性を表す数値に過ぎません。

まだ確定的な診断ではないので、より確実性の高い検査を受けるかどうかは、医師だけでなく夫婦できちんと話し合って決める必要があります。

・クアトロテストも染色体異常が分かる?

妊娠してからの染色体異常の検査には、クアトロテストもあります。クアトロテストは妊婦さんの血液を採取して、胎盤で作られる成分を検査するものです。

検査を希望する場合には16週前後に受けることが多く、結果が分かるまでに1週間以上かかると言われています。しかも、この検査も超音波のNT値と同じように、あくまでも染色体異常の可能性を示す検査に過ぎません。

より確実性の高い結果を求めているのであれば、確定検査を受ける必要があります。


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・羊水検査は精度がほぼ100%!

妊娠してからの染色体異常の検査の中でも、超音波のNT値やクアトロテストでは確実な結果は分かりません。そこで、精度がほぼ100%と言われている羊水検査ですが、具体的には妊婦さんのお腹に細い針を刺して羊水を採取して行う検査です。

羊水に含まれている胎児の細胞から、胎児の染色体・遺伝子を調べるのです。羊水検査では染色体異常の他、先天性代謝異常の可能性も分かると言われています。

ちなみに、羊水検査は妊娠中でも比較的羊水が多くて胎児が小さいとされる、妊娠17週前後がリスクが少ないと言われています。とは言っても、もっともリスクが少ない時期を選んでも、決してノーリスクではありません。

1000人中2人前後が羊水検査の後で流産してしまう、と言うデータもあるくらいです。流産しなくても破水のリスクも、100人に1人の割合であると言われています。

先に、「羊水検査の精度はほぼ100%に近い。」と述べましたが、次のようなケースは見逃してしまうことがあります。

「モザイクで正常な遺伝子・異常な遺伝子が混ざっている。」「判断が難しいほど細かい異常がある。」1羊水検査は「100%」ではなく「ほぼ100%」の精度で、安全性に関しても絶対に安心とは言えません。

羊水検査を受ける前に、万一のことがあっても、その結果を素直に受け止められるかどうか、夫婦でよく話し合っておく必要があります。

・絨毛検査も精度が高い検査方法

妊娠してからの染色体異常の検査の中でも、絨毛検査も精度の高い検査方法です。具体的には腹壁に針を刺したり、子宮頸部にカテーテルを挿入したりして絨毛を採取します。

そして、絨毛から胎児の細胞を取り出して、染色体の構造・数の異常を調べます。絨毛検査は妊娠11週くらいを目安に行われることが多いのですが、この時期でも絨毛が取りにくい場合もあります。

こんな時には別の日に検査を行います。絨毛検査は羊水検査よりも早い時期に行うことができて、羊水検査ほど深い部分に針を刺すことはありません。

なので、その分リスクが少ないことは確かなのですが、全くリスクがない訳ではありません。流産・破水のリスクも僅かながらあり、羊水検査と同じように夫婦でよく話し合った慎重に判断する必要があります。

・まとめ

染色体異常で流産する確率は10人中数人と言う確率で、男性に染色体異常が見つかる確率も、女性に染色体異常が見つかる確率も数%と言われています。

それで、染色体異常の検査は、末梢血液中のリンパ液、骨髄・胎盤絨毛・精巣などの組織を採取して行われます。妊娠中は女性だけが検査を受けることが多いのですが、妊活中は男性も女性も検査を受けることが可能です。

男性も女性と同じくらいの確率で染色体異常の可能性があることを考えると、妊活中の染色体異常の検査は夫婦で受けるのがお勧めです。

妊娠中は超音波のNT値・クアトロテストなどの染色体異常の可能性が分かる検査、羊水検査・絨毛検査などの精度の高い検査などがあります。

特に羊水検査・絨毛検査などは確実性の高い検査であっても、流産や破水のリスクが伴います。しかも、検査で染色体異常が分かっても、治療法はほとんどありません。

リスクを冒してまで染色体異常を知ることで、どういうメリットがあるのかを夫婦でよく話し合って、検査を受けるかどうかを慎重に判断しましょう。