「子宮頸管無力症」なんて言う病名を、聞いたことはありませんか。妊娠中で「子宮頸管が短い。」と医師から指摘を受けたことのある方だと、同時に子宮頸管無力症の診断をされる場合もあります。

あるいは、流産を繰り返して原因を調べてみたところ、子宮頸管無力症であることに気付くこともよくあります。誰でも初めて病気を知らされると、どうしても不安を感じるもの。

それも、妊活中・妊娠中に知らされる病気は、他のタイミングで知らされる病気よりも将来的な心配をしてしまいますよね。病気を治すためにできることでもあれば良いのですが。

そこで、子宮頸管無力症についての知識を学んでおくと、今後の対策に役に立つかもしれませんし、今よりも不安を減らせるかも知れませんね。では、子宮頸管無力症の原因と症状、いつ子宮頸管無力症だとわかるのかなどを、順番に勉強していきましょう。

・子宮頸管無力症とはどういう病気?

「子宮頸管無力症」は名前から意味を考えてみると、「子宮頸管が無力になる症状」となります。子宮頸管は子宮と膣を結ぶ通路で、この通路が無力になるのです。

「子宮頸管が無力になる」と言うのは、本来は閉じているはずの子宮頸管が開いて短くなってしまうと言うことです。子宮頸管が開くのは臨月になってからのはずですが、子宮頸管無力症の場合には臨月になる前に子宮頸管が開いてしまうのです。

それで、赤ちゃんをしっかり支え切れず下に降りてきてしまい、流産・早産に繋がることがあります。実は、流産・早産を経験する人のうち、5人に1人くらいの方が子宮頸管無力症に該当すると言われています。

子宮頸管無力症は妊娠16週以降の超音波検査で、「子宮頸管が短い。」「子宮頸管の子宮側の入り口が開いている。」「羊水を包んでいる袋が出っ張っている。」などの症状から診断できます。


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・子宮頸管無力症の原因は不明

「病気には必ず何らかの原因があるもの!」と考える方は多いのですが、実は子宮頸管無力症の原因ははっきりしません。はっきりと分かることと言えば、「元々子宮頸管が弱くて、妊娠中に胎児が成長して重くなるにつれて負荷に耐え切れなくなること」くらいです。

現時点で子宮頸管無力症の原因として考えられているのが、主に次のようなことです。

「子宮奇形である。」「元々子宮頸管が短い。」「子宮の手術を受けたことがある。」「出産を経験して裂傷を起こしている。」絶対にこれが原因だとははっきり言えないのですが、一度でも子宮頸管無力症を指摘されたことのある方は、次の妊娠でも注意が必要です。

・子宮頸管無力症に症状はある?

子宮頸管無力症は病気なので、何らかの症状が現れそうな感じがしますよね。でも、実際には自覚症状はほとんどなく、超音波検査で「子宮頸管が短い。」「子宮口か開いている。」などから疑われることが多いです。

それで、子宮頸管無力症と診断された場合には、こまめに妊婦健診を行うこともあります。もちろん、流産・早産の危険性があれば、医師の指示に従って日常生活を送ることになります。

ちなみに、流産・早産に関しては、激しい下腹部痛・お腹の張り・出血などの症状が見られる場合も多いです。これらの症状が見られた場合は、診察時間外であっても迷わずすぐに病院に確認しましょう。

・子宮頸管無力症はいつわかる?

子宮頸管無力症だと分かるのは、大抵は妊娠中期(妊娠16週)以降です。この時期の子宮頸管の長さは、正常であれば40㎜くらいと言われています。ところが、子宮頸管無力症の場合には、30㎜以下になることがあります。

子宮頸管が30㎜以下になると切迫早産の危険性があるとして、こまめに経過を観察することになります。さらに、25㎜以下になると早産の危険性から、入院しながら体調を管理することになります。

子宮頸管無力症の発症率は1%以下、つまり100人に1人以下です。決して多いとも少ないとも言えない確率ですよね。でも、誰もが発症の可能性を持っていることは確かなので、少しでも早く異常に気付くためにも、妊婦検診は1回1回確実に受けましょう。

・第2子以降の妊娠でも油断は禁物!

「第1子の妊娠中は、子宮頸管無力症にならなかった。」こんな方でも油断は禁物で、第2子以降の妊娠で子宮頸管無力症になることもあります。

実は、子宮頸管無力症の原因の一つとして言われているのが、「出産を経験して裂傷を起こしている。」と言うことです。子宮頸管の筋肉組織は、出産によって衰えることがあります。

また、今までの妊娠で一度でも子宮頸管無力症と診断されると、今後の妊娠でも子宮頸管無力症と診断される可能性が高まります。なので、子宮頸管の状態をこまめに確認しながら、予防対策をして手術を行うこともあります。


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・子宮頸管無力症の手術とは?

子宮頸管無力症と診断されたら、必ず手術と言う訳ではありません。「子宮頸管が短くなっていないか。」「子宮口が開いていないか。」など、様子を見ながら自宅安静を指示されることもあります。

あるいは、緊急に備えて入院して体調を管理することもありますし、症状が進行して危険な場合には手術を行うことがあります。子宮頸管無力症の手術では子宮口を縛って固定し、赤ちゃんが下りて来るのを阻止します。

具体的には、シロッカー法・マクドナルド法などの手術法があります。まず、シロッカー法は子宮頸部の前側・後ろ側を切開して糸を使う方法で、マクドナルド法は子宮頸部の何方向かを縫い合わせる方法です。

いずれの方法で手術をしても、正期産に入っていつ出産を迎えても良い状態になったら、固定した子宮口を抜糸することになります。抜糸をした後は、数日以内に出産に繋がることが多いと言われています。

結果的にはどちらの手術も同じように感じるかも知れませんが、シロッカー法には確実に子宮口を固定する効果があります。そして、マクドナルド法は簡単な処置で出産を待つ時に、手間がかからないと言うメリットがあります。

どちらにもそれぞれ異なる効果・メリットがあるので、医師が状況に応じて手術法を選択してくれるはずです。

・子宮頸管無力症は予防できる?

子宮頸管無力症は一度でも発症すると、今後も発症する確率が高くなります。なので、できることなら発症を予防したいところですよね。でも、残念ながら子宮頸管無力症を予防することは、ほとんど不可能に近いと考えた方が良いでしょう。

敢えて言うなら妊婦健診をきちんと受けて、異常を早期発見・早期治療できるような状態にしておくことです。そして、過去に何らかのトラブルを経験したことのある方は、健診の際に忘れずに医師に伝えましょう。

できるだけ体に負担をかけないように過ごし、体を休められる時にしっかりと休めておくことも大切です。また、万一のトラブルが起こって自宅安静・入院になると、家事・育児・仕事などで協力者が必要となる場合もあるかも知れません。

このような事態に備えて、早めに協力者に話をしておくと安心です。

・まとめ

子宮頸管無力症は子宮と膣を結ぶ子宮頸管が、開いて短くなる症状のことを言います。子宮頸管無力症の症状ははっきりしないものの、先天的なものとも過去の出産によるものとも言われています。

過去に出産を経験した方だと、裂傷を起こしていて子宮頸管無力症になりやすい場合もあります。第1子の時に何のトラブルもなく出産を迎えられたとしても、第2子以降の妊娠で子宮頸管無力症と診断されることもあります。

それで、子宮頸管無力症の症状に自覚症状は特になく、流産・早産の場合は激しい下腹部痛・お腹の張り・出血などの症状が起こることが多いです。

もちろん、このような症状が現れた場合には、すぐにでも病院に連絡しましょう。また、子宮頸管無力症と診断された場合は、状況によっては自宅安静・入院・手術などを医師から勧められることがあります。

手術は子宮口を縛って固定するもので、正期産に入ったら子宮口を抜糸して出産に備えます。子宮頸管無力症は予防できるのがベストですが、残念ながらこれと言った予防法はありません。

なので、妊婦健診をきちんと受けること、体に負担をかけないように過ごすことを心掛けて、良い妊娠生活を送りましょう。