妊娠中の薬

妊婦は風邪薬を飲んでも大丈夫?胎児への影響は?

妊娠中に風邪をひいてしまった…妊婦さんは1回は風邪をひいてしまうと言われています。

妊娠中は、からだやこころに様々な変化が起きます。風邪をひきやすくなるのもそのうちの一つです。妊娠中は、ホルモンバランスが乱れたり、つわりでなかなか食事をとれずに栄養不足になってしまったり、お腹が大きくなると圧迫されてなかなか眠れずに睡眠不足になったりと、免疫力が下がってしまうからです。

風邪をひいてしまったときに、風邪薬で対処している方も多いのではないでしょうか。しかし、妊娠中は赤ちゃんに影響があるかも…と薬を飲むのを躊躇いますよね。

そこで今回は、妊娠中に風邪薬を飲んでも大丈夫なのかをご説明します。

その症状は本当に風邪?

風邪は誰でも、いつでもなるとても身近な病気です。普通の風邪でしたら、はやければ2~3日、長くても1週間ほどで治ります。しかし、他の病気や感染症だった場合はお母さんだけではなく、赤ちゃんにも影響が出てしまう場合があります。

風邪に似た症状でも他の病気の危険性もありますので、風邪の症状と他の病気等の症状を見極めれるようにしましょう。

とくに気をつけたいのが、風疹です。風疹ウイルスが病原体で、感染すると発熱、リンパの腫れ、発疹がみられます。妊娠4~20週に初めて風疹ウイルスに感染した場合、赤ちゃんが先天性風疹症候群になる可能性があります。

先天性風疹症候群とは、難聴や、白内障、緑内障、そして心臓疾患を引き起こす先天性の症状です。風疹ウイルスに感染したからといって必ずしも赤ちゃんに影響するわけではありませんが、念のためも風疹になってしまった場合は速やかに病院へかかりましょう。

また、妊娠初期の症状も風邪の症状と似ています。排卵期になると体温が上昇して低温期から高温期に変わります。生理が終わると低温期に戻りますが、妊娠が成立している場合体温は高いままです。

さらに、妊娠すると体内の血液量が増えます。そのため妊娠初期には、倦怠感や身体がほてったような感覚があります。また、ホルモンの影響を受けてアレルギー反応を起こし、咳やくしゃみなどを起こす場合もあります。これらの症状は、風邪とよく似ています。

このように、風邪かもしれないと思っても、他の感染症や病気、はたまた妊娠初期症状なのか、自己判断するのは難しいです。ただの風邪だと思って、放っておくことは危険ですので自己判断で決めつけないようにしましょう。


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妊娠中に薬が胎児に与える影響は?

妊娠中の薬の服用は、赤ちゃんの身体の形成に悪影響を及ぼし、奇形などの可能性があります。薬によっては、お腹の赤ちゃんの心臓に悪影響を及ぼしたり、動脈管を収縮させる成分が含まれているものもあります。

また、同じ薬でも妊娠週数によって赤ちゃんへの影響は変わります。

もっとも注意が必要なのは妊娠初期(2か月~4か月)です。この時期は、赤ちゃんの脳や心臓をはじめとした主要な器官ができ始める大切な時期です。この時期での薬の服用は最も影響が出やすいとされており、可能性として低いものの、心臓や手足の先天異常(奇形)が懸念されます。

できる限り薬の服用は避けましょう。妊娠中期以降は、赤ちゃんの形成はほぼ完了しており、発達していく過程のため奇形という点ではあまり心配はいらなくなりますが、成分によっては赤ちゃんの発育に影響がでるため注意が必要です。

薬を服用すると、絶対赤ちゃんに影響があるわけではありません。確率的には、先天性異常が見られた赤ちゃんのうち1%が薬による影響だといわれていますが、風邪薬のように短期間の服用でしたら、あまり影響はないと考えていいでしょう。

服用をためらって、風邪が悪化してしまったり、ほかの感染症にかかってしまうと赤ちゃんにも影響が出てしまいます。

風邪薬は飲んで大丈夫?

では、妊娠中は風邪薬を飲んでも問題ないのでしょうか。結論は、「服用できる薬とできない薬がある」です。どのような薬が服用できて、どのような薬が服用できないかを理解しておくと、薬を安心して服用できますね。

妊娠中に服用できる薬

解熱鎮痛消炎薬(熱さまし)

アセトアミノフェン

鎮咳薬(咳止め)

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、ジメモルファンリン酸塩、ベンプロペリンリン酸塩、ペントキシベリンクエン酸塩

去痰薬(痰をとる薬)

ロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩

抗ヒスタミン薬(鼻水止め、アレルギー薬)

クロルフェニラミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩、ヒドロキシジン、ロラタジン、セチリジン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩、クロモグリク酸ナトリウム

気管支拡張薬(呼吸を楽にする薬)

サルブタモール硫酸塩、テルブタリン硫酸塩、クレンブテロール塩酸塩、テオフィリン、イソプレナリン塩酸塩


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妊娠中に服用できない薬

解熱鎮痛消炎薬(熱さまし)

ロキソプロフェン、イブプロフェン、アスピリン
→ロキソプルフェン、イブプロフェンは妊娠後期に服用すると胎児の心臓や血管へ悪影響を及ぼす可能性があります。アスピリンは先天異常(奇形)を引き起こす可能性があります。

麻薬性中枢性鎮咳薬(咳止め)

リン酸コデイン・ジヒドロコデインリン酸塩
→咳を鎮める効果の高い成分であり、多くの風邪薬に配合されています。妊娠中に影響も多くあるとされ、胎児がモルヒネ中毒になる可能性もあります。

カフェイン

カフェイン自体には、風邪を抑える作用はありません。アレルギー薬や鼻水止めは副作用で眠くなるためそれを防止するために入っていることがあります。カフェインが妊娠中によくないことはご存知の方も多いと思います。カフェインは、胎児への血量を減少するため胎児の発育に支障をきたす可能性があります。

ここに示したのは、風邪薬に含まれる代表的な成分の一部です。このように、妊娠中に服用できる成分とできない成分があります。市販薬が飲めるか飲めないかの判断は成分をみて行います。

実際に購入して服用するときは、薬剤師に相談してから、用法用量を守って服用しましょう。しかし実際には、市販薬はさまざまな症状の人に効果があるように、複数の成分を混ぜて作られているため、服用しなくてもいい成分まで服用することになります。

妊娠中は、無駄な薬の服用は避けたいですね。病院にかかり、医師が処方する薬は、患者ひとりひとりの症状に合わせた成分のみなので、必要のない成分を避けることができるため、より安全です。できれば、病院に行き薬を処方してもらいましょう。

また、漢方薬は副作用が少ない、安全というイメージを持っている方が多いと思います。実際に、薬に比べて効果はマイルドなことが多いですが、副作用があります。妊婦に使えない漢方薬もあります。

漢方薬はさまざまな生薬をブレンドしてつくられています。その生薬の中に妊婦が服用しない方がいいものがあるのです。たとえば、風邪の代表の「葛根湯」は、妊婦が服用するのに好ましくない麻黄という生薬が含まれています。

このように、漢方薬でも妊娠中は避けたいものがあるので、自己判断で服用しないようにしましょう。

薬以外で風邪を治す方法は?

安全に飲める薬があるといっても、すぐに薬には頼りたくない方もいますよね。そこで、薬以外で風邪を治す方法を紹介します。もちろん、薬の服用と併用して行っても効果的です。

①温かくして睡眠をとる

風邪の時は、睡眠をしっかりとるのは基本中の基本ですね。風邪をひいているのに睡眠不足では免疫力が下がり、症状が長引くおそれがあります。また、体を温めることによって免疫力が上がります。

重ね着をしたり、布団を掛けるだけではなく、体を温める食材をとり体の内側から温めることも並行して行うと効果大です。

②栄養をとる

ビタミンCは、風邪の諸症状に非常に効果的といわれています。そのため風邪のひき始めのまだ症状が軽い段階の時は、ビタミンCのたくさん含んでいる野菜や果物(ブロッコリー、アセロラ、レモンなど)を積極的にとりましょう。

また、ビタミンAは気道の粘膜を保護、強化する効果があります。風邪のウイルスは気道の粘膜から入るため、バリアするためにもビタミンAをたくさん含む人参、レバーなどの食べ物も積極的にとりましょう。

しかし、発熱時には、病原菌と戦うためにエネルギーを使います。ここで、消化に時間のかかる食べ物が入ってくると、体は消化のためにエネルギーを使わざるを得なくなります。

そのため、風邪をひいて食欲がないときに、無理して食べるのはよくありません。消化のいいものを食べれるだけ食べて体力をつけましょう。

③水分補給をする

風邪をひいて高熱が出ることは、体内に侵入したウイルスを排出しようとしている証拠です。しかし、高熱で気を付けなくてはいけないことは、水分がなかなか摂れず、脱水症状に陥ることです。

体温が1度上がると、体から蒸発する水分が15%増えると言われています。高熱が出ている場合は、常温の経口補水液やイオン飲料をこまめに摂取して、脱水症状を引き起こさないよう心がけましょう。

脱水症状は、胎児に届くはずの血液の循環が悪くなり、赤ちゃんに酸素や栄養が届きにくくなってしまいます。脱水症状にならないように注意をしましょう。

④手洗いうがいをする

うがい手洗いは、風邪の予防として知られていますが、ウイルスは様々な種類があります。あるウイルスが原因で風邪をひいたあと、また別のウイルスに感染して、重症化する可能性があります。

特に風邪をひいているときには、防御機能が弱くなっており、普段よりもウイルスに感染しやすいので、手洗いうがいはした方がいいでしょう。

このように、妊娠中でも服用できる風邪薬はあります。薬を飲まないで我慢して、悪化してしまったり、ほかの感染症にかかることは赤ちゃんにも母親にもリスクがあります。

妊娠中は自分だけの体ではないことを意識しましょう。正しい知識をもって、安全に薬を服用することで、体調を改善しましょう。薬を服用する際は、自己判断で使用せずに医師または薬剤師に相談しましょう。


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