【不妊治療の大まかな流れ】

通うクリニックが決まったら、まずは体に不妊の原因となる要素がないか基本的な検査をします。1回でたくさんの検査をするのかなと思っていましたが、検査項目が多く、低温期や排卵期などの個々の月経周期に合わせて行わなければならないため、短くても2カ月ほどかかることが分かりました。

すべての検査結果が出てから治療を始めるのではなく、周期に合わせてできる項目から進めていき、治療も同時進行で行う流れでした。まずはタイミング法から始めます。

タイミング法は、排卵日を診断してそれに合わせて性交するという治療法。排卵前に超音波検査をして、卵巣内の卵胞の大きさを測ります。卵胞直径が20ミリほどになると排卵するのでそれを元に予測します。

特に薬を服用するでもなく、ごく普通の方法ですが、私の場合「できるだけ自然妊娠に近い状態で」という希望があったので、何が妊娠を妨げているのかはっきりするまでは、これで経過観察することにしました。

検査結果で分かった不妊の原因によっては、タイミング法では難しいことがあります。その場合薬や手術で治療後、担当医と相談の上、排卵誘発法、人工授精、体外受精とステップアップしていくことになります。


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【低温期にはどんな検査をする?】

月経開始から7日目の終わり頃から体温が上がってくる高温期までの「低温期」は、卵巣の中で卵胞が成熟してくるため卵胞期とも呼ばれます。この期間には超音波検査、血液検査によるホルモン検査、子宮卵管造影検査などを行います。

超音波検査は来診するたびに行う基本の検査です。直接膣内に超音波を出すプロープという器具を入れ、モニターで子宮の大きさや形、筋腫や子宮内膜症の有無を確認します。

個人差はありますが、器具を入れるときに子宮口が押し広げられるので少し痛いと思う人がいるかもしれません。血液検査は、一般的な健康診断と全く同じで、注射器で血液を採取します。

血中のホルモン量や不妊の原因となるクラミジア感染、甲状腺の疾患がないか調べます。私にとってはさほど痛いものではありませんでしたが、注射針が苦手な人にはつらいかもしれません。

子宮卵管造影検査は受精卵が通るための卵管に詰まりや癒着がないかを調べる検査です。細い管を通して子宮に水のような造影剤と呼ばれる液体を流し込み、X線撮影で卵管がきちんと通っているかチェック。

日帰りでできました。液体を流し込むときに鈍痛を感じる人もいるみたいですが、私の場合は痛みは全くありませんでした。「え?もう終わり?」という感じで特に問題なく終わりました。先生によると、この検査は卵管のお掃除にもなるそうで、その後妊娠する人もいるそうです。

【排卵期にはどんな検査をする?】

体温が低温から高温へ移る「排卵期」には黄体ホルモンが分泌され卵胞から卵子が飛び出します。この期間には血液検査、超音波検査のほか、尿検査や頸管粘液検査も行います。

尿検査では尿中のLH濃度を測定し気になる排卵日を予測します。排卵はLHが多量に分泌されることで起こるためです。基礎体温表がガタガタでこれだけでは排卵日の予測は難しかったので、タイミング法を続ける上で特に重要でした。

頸管粘液検査は排卵日付近の頸管粘液の量や伸び具合を調べます。量が少ない場合、性交後精子が子宮まで到達できないなど不妊の原因となるからです。

また、排卵日前後の性交後3から12時間後に行う「フーナーテスト」では、頸管粘液の中の精子の数を見たり、異常がないかを調べます。ちなみにこのフーナーテストは、男性側に不妊原因がないかを調べる精液検査の代用とされることもあるそうです。

精液検査は2パターンあり、自宅で採取して持参する場合とクリニックの専用ルームで採取する場合があります(マスターベーションにて)。

我が家の場合は自宅で採取して専用の抗菌容器に入れ、担当医から「精子は寒さに弱いので、人肌で持参するように」と指示があったため、タンクトップのなかに入れて持っていきました。パートナーが恥ずかしいというので仕方なく自宅採取にしましたが、クリニックの個室で採取するほうが楽に済みます。


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【高温期や月経期にはどんな検査をする?】

基礎体温が高い「高温期」は、排卵したあとの卵胞が黄佶という組織になり黄体ホルモンが分泌されるため黄体期とも呼ばれます。この時期には、超音波検査で実際に排卵したかどうかの確認が行われます。

生理が不規則な私は、実際に排卵していない月があることをこの検査で知りました。基礎体温表で高温期と低温期の差が少なくガタガタなのもこれが原因のようでした。また血液検査による黄体ホルモンの検査を行います。

月経が規則的な人は月経2~5日目に卵巣刺激ホルモンの基礎値を調べます。ホルモン検査で他に大事なのは「抗ミューラー管ホルモン(AMH)」の検査で、卵巣年齢や卵巣内に残っている卵子の数を調べます。35歳以上の人や卵巣の機能に不安のある人は特に早い段階で検査することがあります。

【排卵誘発法で治療】

排卵誘発法は排卵のない人や排卵が不規則な人に対して行われる、内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を起こさせる治療法です。排卵誘発剤にはいくつか種類があります。

クロミフェンやシクロフェニルという内服薬は脳から出される卵巣を刺激するホルモンの分泌を促進して卵巣を刺激します。私の場合は担当医と相談の結果、比較的副作用が少なく、来院回数も少なくてよい内服薬を選択しました。

月経終わり頃から3日おきに1錠ずつ4回ほど飲みましたが、服用時特に顕著な副作用は感じませんでした。内服薬では効果が見られない場合、ゴナドトロピン製剤という注射剤を投与します。

この注射剤は卵巣を刺激するホルモンそのもので、強力な排卵誘発効果があるとされています。一方で排卵が多発し、双子などの多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群のが起こる可能性が高まることもあるそうです。

【人工授精にステップアップ】

人工授精は受精が行われる卵管膨大部に受精に必要十分な精子を送るため、子宮腔内に直接精子を注入する方法です。パートナーから採取した精液のうち、良好に運動している成熟精子のみを選別、洗浄して、妊娠しやすい排卵期に細いチューブで子宮内に入れ込みます。

人工授精で妊娠する人のうち80%は7回以内のトライで成功していると言われています。逆に7回行っても妊娠に至らない場合、体外受精にステップアップするかどうか考えることになります。

副作用としては出血や鈍い痛みなどが起こることがあります。また、感染予防のため、抗菌剤が投与されることもあるようです。人工授精は保険適用外で全額自己負担のため、各クリニックによりますが、1回1~3万ほどの費用がかかります。

【体外受精という選択】

一般の不妊治療(タイミング法、排卵誘発法、人工授精など)で妊娠に至らない重い不妊症の場合、生殖補助医療として卵巣から卵子を取り出して体外で精子と受精させ、数日後に受精卵を子宮に戻す体外受精を行います。

受精卵が正常に細胞分裂を繰り返し、順調に発育した胚を体内に移植すると妊娠率が高くなるそうです。採卵で10個前後の成熟卵を取るため、あらかじめ排卵誘発剤を使います。

その際副作用として卵巣過敏刺激症候群になることがあります。採卵手術は、膣側から卵胞を刺して卵胞液の中にある卵子を吸い出します。採卵に時間を要する場合、麻酔をしますが、麻酔なしで行うこともあるようです。

卵子を取った後は、子宮内膜を着床に適した環境にするため、黄体サポートの薬物を投与します。人工授精と同様、全額自己負担のため、1回の治療に掛かる費用は一般的に30~60万と言われています。

ちなみに私が通っていたクリニックは1回40万でした。成功率は約30~45%。私の不妊治療中の友人の一人は、検査の結果体外受精を勧められましたが、自身とパートナーにとって精神的にも金銭的にも負担が大きいと考え、この段階で不妊治療を断念しました。

また、別の友人は「どんなことをしても可能性があるなら」と家賃の安い家へ引っ越したり、車を売ったりして費用を捻出し、治療に充てました。彼女によると、4回ほどかけて妊娠に成功したそうです。

体外受精をでも受精が成立しない場合は、「顕微授精」というオプションがあります。体外受精が卵子の培養液に精子浮遊液を入れて受精するのを待つのに対して、顕微授精では極細のガラス針の先にたった1個の運動が活発な精子を付けて、顕微鏡で確認しながら直接注入します。

この方法による受精率は50~70%と言われています。リスクとしては、卵子の細胞が弱いとダメージを受けて変性してしまう可能性があることと、1つの精子を選択する際に、元気に活動しているものをランダムに選ぶため、その精子がベストかは検査できない点です。

また、体外受精や顕微授精でできた受精卵を-196度で凍結して長期間保存しておく方法もあるようです。

【まとめに】

不妊の原因は人によって様々で、選択できる治療方法も違います。かかる時間もばらばらで、10年ほど治療クリニックに通い続けているという人もいれば、比較的早い段階で妊娠したという人もいます。

自分も含め不妊治療は長く、不安が大きいので、精神的に追いつめないことが大事かなと思いました。自身とパートナーがどこまで治療を続けるかはそれぞれの判断なので、「可能性が少しでもあるならトライしていく」なのか「そこまではできない」なのかまずはよく話し合う必要があると思います。