不妊症の夫婦は10組に1組と言われています。世界で初めての体外受精が成功したのは1978年。それ以来、それに関わる患者・医師など、倫理の問題などが事あるごとにニュースに取り上げられています。

最近は顕微授精といって、1卵子1精子があれば妊娠可能な時代となっています。不妊治療を専門に行っている病院でも産科と婦人科が併設されています。

同じ待合室では子供が欲しくてたまならい不妊症方と大きなお腹を抱えた幸せそうな妊婦が隣り合わせになることが現状です。また不妊症の治療で入院が必要な場合でも産科病棟に入院になったり、排卵時に出産している声が聞こえてきたりなどといった状況もまだまだあると思います。

そういった中で、心理的な問題として不妊症の方は、焦り・重圧感・コンプレックス・すまないという気持ち、責任感・「母性」に対する喪失感・子供ができた不妊症患者に対する嫉妬・そんな気分になる自分に対する自己嫌悪など・失望・落胆・劣等感・悲観・治療に対する不安・恐怖感などを抱きやすいです。

また外来通院中に情緒不安定となる方も見られます。性生活の管理され、精神的な負担も増えます。

次に社会的な問題として、子供を持つか持たないかは夫婦の自由だという建前の半面、子なきは3年したら家を去るの言い伝えのようにまだまだ日本では「家」「長男」意識が強い家族や地方があります、家庭内や地域、社会からの期待は心理的な負担を増強する可能性もあります。


スポンサードリンク


またストレスも増強します。不妊症の方が子供を欲しいと思うのは、周囲の期待によるものか、母性によるものか理由は様々です、また仕事を持っている方は、職場や家族の十分な協力が得られない限り治療との両立には困難が伴います。

経済的な問題としては、通院期間が長期に及ぶ場合はかなりの負担となることがあります。現在ではまだ不妊症の治療全てに保険が効きません。例えば1回の体外受精に数十万かかることも珍しくありません。

1回で成功すればよいのですが、数回受ける方やお金を貯めてから治療にくる方などいろいろな方がいます。それらの事を踏まえて、不妊治療を受ける前に夫婦での話し合いが必要です。

納得してして治療が受けられるか、不妊に関連した不安や悩みを表出できる相手ははいるか・受容できるか、夫婦共に健康的な規則正しい生活を送ることができるか。自分の想いや気持ちをお互いに話して下さい。

そして焦りや苛立ち、お互いを責めるなどの行動がが見られる時は、一度治療をお休みしてお互いを労わり見つめ直す時間と思い愛をはぐくんでください。なぜ子供が欲しいのは、誰の子供が欲しいのか・・・。

子供が欲しくて結婚した訳ではないでしょう。相手が好きで、この人ととずっと一緒にいたい・人生を共に歩みたいと思い結婚したはずでしょう。その気持ちをを思い出しお互いを思いやって下さい。

・・・さて前置きが長くなりました・・・・

今は体外授精で生まれる赤ちゃんは、24人に1人と言われています。不妊治療を受ける方が増えてきた理由は様々にあると思いますが、昔に比べて結婚年齢が上がり子供を作ろうとした時の年齢が高くなっていることが考えられます。

不妊治療でも、女性は年を重ねるごとに、卵子の質が低下していくので、妊娠できるタイムリミットはあります。しかし男性は精巣内で一生精子が作られるので、タイムリミットはありません。

しかし、男性が原因の不妊も約半数あります。では、体外受精や顕微授精がすすめられる人はどんな方でしょうか。簡単に説明します。

体外受精は最初は男性不妊に悩む方達に実施されるようになりました。顕微受精は精子が1個あれば受精が可能となりました。精子の数が少なくて子供をあきめていた方達にとっては、すごく喜ばしい事だったと思います。

そして排卵誘発剤の開発も進んでくると、卵巣刺激法によって複数の受精卵を作れるよになってきました。妊娠出来るチャンスが格段に増えたのです。

今や体外受精・顕微受精は男性不妊、女性不妊双方にとってなくてはならない治療法となったのです。原因はわからないけれど、人工受精でも妊娠に至らない方達も体外受精の適応となります。

では、採卵から検卵までのお話しをしていこうと思います。

採卵は経腟式の手術です。卵子を採るのは医師の仕事で、膣から経腟式エコーのプローブを使用し、穿刺針で刺し、エコーによるモニターをみながら、卵胞をひとつずつ突いては卵胞液ごと卵子を吸引します。

針を経腟ごしに刺して卵巣に入れ、さらにその中の卵胞へと針を進める事になります。刺す針は、採血の時よりやや太い針になります。これだけでも、もう怖いですよね・・・。でも医療を進歩しているので針も細くなってきています。

そして採卵はエコーのモニター画面を見ながらすすめられます。それを見ていると、いくつも卵胞ができている人は、画面にたくさん見えてるいる丸い黒い玉のようなものが、ひとつずつ吸われてなくなっていくのを見ることができます。

採卵時は麻酔を使えば、麻酔をする時の注射以外に痛みはありません。

☆局所麻酔:これは神経に麻酔薬を注射し、周辺の痛みのみを感じなくする方法です。意識ははっきりあり、自分が何をされているのかも分かります。怪我をして皮膚がざっくり切れた時に縫ったり、歯の治療の時に使用する麻酔方法と同じです。ただ刺される場所がデリケート部分などで、麻酔をされる時の痛みはあります。


スポンサードリンク


☆全身麻酔:主に、麻酔薬を点滴で静脈に注入する方法です。この方法は完全に意識をなくす事になります。点滴をする時の針のちくりで、後は数を数えているうちに意識がなくなり、麻酔から覚めた時には採卵が終わっていて苦痛を感じる間もないです。しかし。いいものには副作用がつきもので・・・。

軽いものからあげて行きます。吐き気、めまい、頭痛=これは麻酔薬によって起こる副作用です。また長時間同じ姿勢をとる事による腰痛もあります。全身の震え=全身麻酔は低体温になるため、体温を上げようとして震えが起きることがあります。

目のゴロつき=麻酔で意識を失っている時に目を完全に閉じていない状態では、目が乾きやすくなって目覚めた時に違和感を感じることもあります。

アナフィラキシーショック:麻酔薬の投与によってアレルギー反応が起き、そのショックで呼吸困難になったり血圧が低下してしまったりなどという症状が出るものです。蜂に刺された時などに起こるものです。全身の痺れ:意識を失って同じ姿勢でいることで起こる事もあります。

わたしは流産の処置の時に静脈による全身麻酔を使用したことがあります。点滴をされ麻酔を入れられる10秒数える前に意識が飛びました。次に起きたときは手術台から降りた時で、「起きて!息を吸って下さい」などと声をかけられました。起きてからは私は吐き気が辛く、吐き気どめの点滴を使用してもらい収まりました。副作用といえばそれくらいでした。

採卵の時間は麻酔をかけるか、卵子が何個採れるかによって大きく変わりますが、麻酔をして20個くらい採るとしても、10〜20分程度で終了します。採卵後は、ベッドに移り、休憩します。

採れた卵子は、ひとつずつプラスチックの小皿に受け、取り出された側から胚培養士が顕微鏡で確認します。この作業を「検卵」といいいます。

体外受精での採卵の痛みは人それぞれだと思います。痛みを感じない人、緊張していたり怖いと思っていると、より痛みが強くて感じる事もあると思います。痛みに弱い体質の方は、どちらかの麻酔を使用してもらう方が良いと思います。

麻酔の方法が決まっていたり、麻酔を使用しないという病院もあると思いますので体外受精にステップアップする際に確認した方が良いでしょう。麻酔をしなくても「全然痛くなかった」「我慢できる痛み」などと話される方もいます。

しかも全身麻酔を行わないと、副作用も出ないというメリットもあります。採卵する様子をしっかり見ておきたい方は、局所麻酔がオススメです。採卵の様子や卵子の状態を自分の目で見てリアルタイムで確認できます。また意識を失わない事により、採卵後に本人確認が行えるので取り違えといったトラブルを防ぐこともできるのです。

体外受精の治療法を調べると、「痛い」「怖い」「麻酔」などと色々な情報が出てくると思います。痛みも怖さも人それぞれであり、麻酔方法も自分に合わせて選ぶものです。周囲の意見は意見として、自分にあった方法を選択して下さい。

そして、自分にあった相性の良い病院に出会えますように。我慢せず、自分の思いや気持ち「こうしたい」などときちんと医師や看護師に話しをして下さい。自分の治療です。我慢する必要はないのです。多くの方がスムーズに体外受精を受ける事ができ、妊活から卒業できる事を願っています。