妊娠・出産が高齢化している中で、話題となっているのが「出生前診断」。出生前診断は妊娠して出産を迎えるまでの間に、お腹の中の赤ちゃんの遺伝子・染色体の異常を検査するものです。

出生前診断には色々な種類があって、中でもお腹に針を刺して羊水や絨毛を採取する羊水検査・絨毛検査などはよく知られていますよね。

この他に、最近ではお母さんの血液を採取するだけで良い、比較的簡単な診断もありますよね。どの方法を取るにしても、やはり何らかのメリット・デメリットは付き物です。

だからこそ、出生前診断は希望している人全員が受けられる訳ではなく、一定の条件をクリアする必要があるのでしょうね。もちろん、出生前診断にデメリットがある以上は、条件をクリアできても慎重な判断が必要です。

「出生前診断を受けることで、自分にとってデメリット以上のメリットが得られるのか。」こればかりは人によって、答えが大きく変わってきます。では、出生前診断のメリット・デメリットは何か、受ける必要性はあるのかを整理してみましょう。

・出生前診断のメリットは?

まず出生前診断のメリットですが、出生前診断に興味を持っている方なら大抵は分かっているでしょう。そもそも、出生前診断に興味を持ち始めたのも、「テレビ・新聞・ネットなどで、出生前診断のメリットを知ったから。」と言う方が多いでしょう。

それで、出生前診断の大きなメリットは皆さんもよく知っているように、「妊娠して出産するまでの間に、子供の染色体異常の可能性が分かること」です。高齢出産を迎える方、親戚に障害者がいる方、夫婦のどちらかに染色体異常がある方などは、「もしかしたら障害のある子を出産してしまうのではないか?」と言う不安が強いでしょう。

もし妊娠中に子供の染色体異常の可能性が分かれば、子供の育児について考える時間が長くできます。健常児の育児でも、なかなか思い通りに行かないもの。障害のある子の育児となると余計に思い通りに行かないもので、自立するために様々なサポートが必要になります。

「子供の障害が一体どのようなものなのか?」「出産後はどのように育児をしていけば良いか?」「育児中にどのような支援サービスが利用できるか。」産まれてくる子供の育児について考える時間が少し増えるだけで、障害に関する知識を学ぶための時間も増えます。

子供のために必要な教育費を準備する時間も増えるかも知れません。また、子供の異常によっては、無事出産を迎えるために妊娠中の体調管理が必要な場合もあります。こういう場合でも早めに知識を得ることで、適切な対策ができるかも知れません。


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・出生前診断のデメリットは?

出生前診断にメリットがあれば、デメリットがあることも忘れてはいけません。出生前診断のデメリットと言えば、主に次のようなことが挙げられます。

「染色体異常が分かったからこそ、妊娠を諦めてしまうことがある。」「出生前診断の精度は100%ではなく、何らかの原因で誤った診断結果が出てしまうことがある。」「検査の方法によっては、僅かながら流産のリスクもある。」もちろん、何のデメリットも感じることなく、メリットだけを十分に実感できる方も多いです。ただ、運悪く誤った診断結果が出てしまうと、結果に振り回されてしまうことも。

『異常なし』の診断結果に安心していたのに、出産後に子供の障害が判明した。」このような場合は妊娠中に安心して過ごしていただけに、子供の障害が分かってかなり大きなショックを受けるでしょうね。

逆に、「異常の診断結果が出ていたのに、出産後に何もなかった。」と言う場合もあります。ここで、「最終的に異常がないのなら、診断結果が誤っていても問題ないのでは?」と、考える方もいるかも知れませんね。

実は、これにも大きな問題があるのです。出生前診断で異常が見つかった場合、97%の方が妊娠を諦めてしまうと言うデータがあります。もし異常の診断結果が誤っていたら、一体どうなることか。異常の診断結果が出たことで、本当なら何の異常もなく生まれるはずの子まで、妊娠を諦めてしまうことも考えられます。

また、出生前診断の検査方法の中でも、羊水検査・絨毛検査などのお腹に針を刺したり、子宮頸部にカテーテルを挿入したりする方法には、僅かながら流産のリスクも存在します。出血・破水・感染症・羊水の流出などのリスクもあるので、診断を受けるにあたって慎重な判断が必須です。

・出生前診断で全ての異常が分かる訳ではない

羊水検査・絨毛検査などの出生前診断の精度は、ほぼ100%と言われています。この確率だけで考えると、出生前診断はいかにも万能な診断のように思うかも知れません。でも、残念ながら万能なものとは言えず、出生前診断で分かるのは一部の異常で全ての異常ではありません。

ほぼ100%と言うのはあくまでも一部の異常に関しての精度ですし、その一部の異常であっても僅かな確率で誤った診断結果が出る可能性があります。

つまり、もし出生前診断では分からない異常だったり、誤った診断結果が出たりすると、結果に振り回されてしまうこともあるかも知れませんね。出生前診断を受けるか迷っている方は、「万一出生前診断で分からない異常だったら?」「万一誤った結果が出てしまったら?」など、万一の場合も考えつつ検討してみると良いでしょう。


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・出生前診断を受ける必要は?

出生前診断にメリット・デメリットがあると、出生前診断を受ける必要があるのかどうか、疑問に感じる方も多いでしょう。もちろん、出生前診断で得られるメリット・デメリットは人それぞれなので、「絶対に出生前診断を受ける必要がある!」とは言い切れません。

まず、「例え障害がある子でも、我が子として責任を持って育てる!」と言う覚悟があるのなら、出生前診断は受ける必要がないでしょう。このような方が敢えて出生前診断を受けるなら、メリットは「早めに異常の可能性を知って、情報収集に役立てられること。」と言ったところでしょうか。

それから、次のような考え方に該当するなら、出生前診断を受けてもデメリットは最小限に抑えられるかも知れませんね。「例え少しでも異常の可能性があるのなら知りたい。」「誤った結果が出るかも知れないことも覚悟の上で、異常の可能性を知りたい。」などです。

この他、「誤った診断結果が出た時に振り回されそう。」「例え僅かでも流産のリスクを回避したい。」などと思っている場合には、出生前診断はやめておくのが無難です。「心身のリスクを背負っても、異常の可能性を知りたいのかどうか。」が、出生前診断を受けるかを判断する上で大切なポイントです。

・まとめ

出生前診断のメリットは、「妊娠して出産するまでの間に、子供の染色体異常の可能性が分かること」です。早く子供の異常を知ることで、障害に関する知識を学ぶ時間、育児の仕方を考える時間、育児中の支援サービスを探す時間などを少しでも長く作ることができます。

それから、出生前診断のデメリットは、「結果によって妊娠を諦めてしまう可能性があること」「誤った診断結果が出る可能性があること」「検査方法によっては流産のリスクもあること」などです。

誤った診断結果が出る可能性も、流産のリスクも決して高確率ではありません。でも、可能性がゼロでない限りは、自分が何らかのリスクを抱えてしまう危険性も十分にある訳です。

また、出生前診断は全ての異常が確実に分かる訳ではないので、出生前診断を受ける前に「万一出生前診断で分からない異常だったら?」「万一誤った結果が出てしまったら?」を考えておくことは大切です。

それで、出生前診断を受ける必要があるかないかですが、「絶対にこうした方が良い!」と言う正解のようなものはありません。皆さんが妊娠・出産・育児に関して、どのように考えるかです。

「例え障害がある子でも、我が子として責任を持って育てる!」と言うのであれば、出生前診断を受けなくても良いでしょう。「早めに異常の可能性を知って、情報収集に役立てたい。」と言うのであれば、受けるのも有りです。

「例え少しでも異常の可能性があるのなら知りたい。」と言う方は、誤った結果が出るかも知れないことも覚悟の上なら出生前診断を受けるのも良いでしょう。出生前診断を受けるにしても受けないにしても、それぞれの場合で良からぬ結果も視野に入れて検討すると良いかも知れませんね。