まず初めに言っておきます。体外受精の双子妊娠率は、自然妊娠に比べて高くなります。というか、双子に限らず、多胎妊娠率自体が高くなります。詳しくはまた後で説明するとして〜、最初に多胎妊娠について説明して行きます。

☆多胎妊娠って??

子宮内に同時に2人以上の胎児が存在する事をいい、胎児の数により双胎(胎児2人)、三胎(胎児3人)、四胎(胎児4人)などをいいます。

*多胎妊娠の主な要因は?

①遺伝(母系からの劣性遺伝が強い)
②排卵誘発剤使用による妊娠

*母児への影響は?

 

<母体への影響>

①妊娠中毒症

→妊娠中毒症の定義や分類については、世界産婦人科連合(FIGO)の分類や妊娠症機構(OG)などで議論されていますが、ここでは日本で一般的に使用されている日本産科婦人科学会の妊娠中毒症問題委員会によって決定された内容を紹介します、
妊娠に高血圧や、蛋白尿、浮腫の1つもしくは2つ以上の症状が見られ、かつこれらの症状が単なる妊娠偶発合併症によるものでないものを言います。

軽いものから重症まであります。母体が助からなかったり、死産だったりどっちも助からなかったなどの悲しい悲しい事例も何件か見たことがあります。

②貧血

→貧血とは赤血球数(RBC)とヘモグロビン値(Hb)が低下した状態をいい、妊娠貧血はHb値11g/dl未満、またはヘマトクリット(Ht)値30〜33%未満を言います。

 貧血はまずは食事指導、それでも改善しないなら内服や注射をします。


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③下肢静脈瘤

→子宮の増大によって骨盤およびその周囲の血管の圧迫が起こり、下半身の血管に血液の停滞や下肢の静脈還流の減少が生じることによって起こる、さらに妊娠により増加したプロゲステロンの静脈管壁の緊張低下の作用により、静脈拡張が生じて起こります。

静脈瘤が怖いというよりも、できてしまった静脈瘤が肺や心臓に飛んだりする方が怖いので、予防に弾性ストッキングなどを購入し着用すると良いと思います。

④下肢・外陰の浮腫

→妊娠末期になると、腹部の増大による大動脈の圧迫や毛細血管の透過性の亢進、Naの貯留などにより浮腫になりやすいです。
 私は立ち仕事・夜勤などもしており、浮腫んでしまう前から予防的に弾性ストッキングを着用していました。

履いていると足のだるさも軽減されます。また塩分の取りすぎた食事をした次の日は手の指もこわばるようなむくみも出たりしました。安静・食事指導などが必要になります。ちなみに私の仕事場の妊婦さんは、仕事柄妊娠中期からは、ほぼ弾性ストッキングを履いていました。

⑤胸部圧迫による呼吸困難・心悸亢進

→正常な呼吸は、肺換気、ガスの拡散と運搬および呼吸の調節を意味しています。妊娠末期になは、子宮の増大による横隔膜の挙上による横隔膜可動域は減少し、肺換気の増加に広がった胸郭運動によって維持されます。そのため呼吸数は増加していきます。

妊娠後期はマタニティ服やワイヤーなどのないブラジャーをお勧めします。私も安定期に入ったら洋服や下着などをマタニティに変えました。それだけでも締め付けられずになり、とても楽でしたよ。あとは、仰向けに寝ると辛いのでいつも横を向いて寝ていました。

⑥羊水過多

→羊水量が正常に比べて明らかに多いものを言います。

⑦微弱陣痛

→陣痛発作の回数、持続時間、強さのいずれか、または全部が減弱して分娩がの時間が長くなるのを微弱陣痛と言います。

❶原発性微弱陣痛(分娩開始当初から陣痛が微弱のもの)と。
❷続発性微弱陣痛(分娩開始当初は正常であった陣痛が、後に微弱となるもの)とがあります。簡単に説明していきますね。
❶原発性微弱陣痛

⑴全身的な原因

・母体疲労、睡眠不足、栄養状態、貧血
・恐怖、強度の陣痛

⑵局所的な原因

・子宮筋の先天的発育障害(子宮発育不全、子宮奇形など)
・子宮筋の収縮阻害(子宮筋腫・膀胱・直腸の充満など)
・子宮の過度進展⇨⇨⇨今回はこれが当てはまります。
・子宮の位置異常
・子宮筋の機能不全(高年・若年初産婦など)
・胎児下向部による子宮下部神経節へ刺激が不十分な場合(狭骨盤・胎位異常など)

❷続発性微弱陣痛

子宮筋の過度労作による疲労が原因で、以下のような場合に起こります。

・狭骨盤・軟産道の狭窄または強靱など
・巨大児、水頭症、胎位・胎勢・回旋の異常

⑧弛緩出血

→胎盤娩出直後に子宮筋の収縮不全により、生物学的血管結紮という止血機序が障害されて起こる異常出血を言います。
 

⑨前期破水

→分娩開始以前に卵膜の破綻をきたしたものを言います。

 破水の程度により、出産が早まり緊急で帝王切開となる場合もあります。


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⑩前置胎盤

→胎盤の一部または大部分が子宮下部に付着し、内子宮口を覆うものを前置胎盤と言います。前置胎盤にも程度がありますが、今回は省略します。

 

<児への影響>

①子宮内胎児発育不全

→全身の発育異常で在胎期間に比べ胎児体重または出生体重の小さいものを言います。
 臨月近くになり、胎児発育不全を指摘され少しでも胎児が大きくなるように入院し安静にするなどするかたもいます。

②早産

→妊娠22周から36週までの時期に出産に至ることを言います。

③胎児肺の未成熟

→早産や未熟児に多いです。そのため出産に至るまでに胎児の肺成熟を促すため、母にステロイド材を投与します。

④双胎の場合、双胎間輸血症候群

→一卵性双胎において、両児の胎盤の間に血管吻合があると、二人の胎児の血流に不均衡が生まれ、一方の児は過剰発育するが心臓に負担がかかるため浮腫・赤血球増加・心不全などを示します。他方の児は発育不全となり、貧血・脱水・小心症などを示します。

 まずは、貧血に対しては栄養指導や増血剤の投薬を行い、妊娠中毒症の発生を予防するためには、生活指導や栄養指導を行います。早産予防のため妊娠後期に入院させる事も多いです。

⑤胎位異常

→胎児の下向部が頭部以外で、骨盤位・横位・斜位を言います。

⑥胎児仮し

→胎児ー胎盤系における呼吸・循環の不全を主微とする症候群を言います。

⑦四肢・臍帯脱出

→通常が頭から出てくるはずが、足や臍帯から出てきてしまうことを言います。

簡単な説明ですが、どれも母体や胎児の生命に危険のある影響ばかりです。詳しくはまた機会があればお話ししたいです。知っていれば、みなさん気をつけたり、早めに病院に受診するなど慌てず対応することができると思います。

*どうやって多胎妊娠って分かるの?

①子宮底長が妊娠週数に比べて大きい。
②超音波断層法により2個以上の胎児像と胎児心拍数が検出できる(妊娠初期)
③腹部レントゲン検査により2個以上の児頭を確認する(妊娠後半期)
④外診により2個以上の児頭に触れる。

妊活を頑張ってきて、妊娠が発覚し双子だと分かると「嬉しい」という気持ちになる方も多いと思います。しかし、先ほど述べたように多胎妊娠はリスクが高いです。

体外授精での双子が生まれやすい理由としては、排卵誘発の影響が高いです。不妊治療の成功率を上げるには、複数の卵子を採り、できるだけ質の良いものを選んで精子と受精させることが大切です。そこで体外受精や顕微授精を行う前に排卵誘発剤を使用し、卵巣を刺激し、卵胞の発育と排卵を促します。

排卵誘発の結果、複数個の卵子がとれ、さらに受精卵がいくつかできた場合は、それらを子宮に移植すれば多胎妊娠の可能性が高くなります。

以前は何個も戻し妊娠の確率を高くしていたようですが、2008年に日本産婦人科学会が、多胎妊娠を防止する目的で「子宮に移植する受精卵は原則として1個」とする見解を発表したようです。そのため体外受精や顕微授精での双子や多胎妊娠する確立は減少しました。

・・・・体外受精た顕微授精での双子妊娠確立はどれくらい???・・・・・

厚生労働省の人口動態調査によると、自然妊娠も含めた全体の多胎出生率は約1%です。
体外受精や顕微授精で生まれた赤ちゃんのうち約3%くらいが多胎妊娠で、その中でも双子が大半を占めているようです。

前はもっと多かったようですが、2008年から戻す受精卵が原則1個となり、双子妊娠確率も減少したようです。

1%から3%と数字だけ見るとそんなに確立は高く見えませんが人口の割合でいくとやはりやや高いと思います。しかし「双子が生まれやすい」とまでは言えないでしょう。

実際不妊治療で双子を妊娠された方も多くいました。逆に双子じゃない方もいました。双子を妊娠した方でも不妊治療ではなく自然妊娠で授かった方もおられるでしょうし、あくまでも統計的なものなので。。。

不妊治療を行っていて「双子だったらいいな〜」と心の片隅に。双子であっても、授かる赤ちゃんが一人でも何人でも、妊娠そして出産まで至ることは奇跡的な事です。

双子だとの喜びもあれば、リスクもあります。不妊治療を頑張り、もし双子を妊娠された方がコレを見ていましたら、こんなリスクもあるなと頭の片隅に置いて、出産を迎えるまで体調管理に気をつけながらお過ごしください。

余談ですが、最近では不妊ではなく未妊ともいうようです。妊娠できないのではなく、まだ妊娠していないだけと。そういう風に考えられると楽になるかもしれませんね。

多胎妊娠には様々なリスクがあります。また機会があれば多胎妊娠時のリスクについてもお話ししたいなと思います。