着床

体外受精の着床時期と過ごし方

無事体外受精を終えて、着床するかがドキドキする時期だと思います。まず最初に、着床について説明します。

☆着床とは??

受精卵(胚)は、約28時間で最初の細胞分裂を起こします。(2細胞胚)。その後は、16〜24時間毎に、4細胞、8細胞、充実胚(細胞が多数見られる状態)と分裂しながら、卵管内を子宮腔内方向へ移送され、約3〜7日で子宮内へ到着し、胚盤胞と呼ばれる段階まで成長します。

受精から5〜7日で胚盤胞は周囲を覆う透明度が薄くなり、胚の脱出が始まります。これをハッチングといい、この行程を経て、子宮内膜へ着床します。

<アシストハッチング>

移植胚の透明帯と言う殻を人為的に破って脱出させることを言います。必ずしも全例に有効ではないと言う報告が多くなっており、行わない方も多いかもしれませんが、説明だけさせてもらいますね。

#着床を促すために移植前の胚にアシステッドハッチングをする場合があります。ハッチング(孵化)とは、胚盤胞が透明帯と呼ばれる殻を破って脱出することです。この脱出した胚盤胞が子宮内膜に接着・埋没して着床が成立します、アシステッドハッチングはこのハッチングをアシスト(補助)する手段で、殻を破って内膜に着床しやすくする方法です。

アシステッドハッチングには、薬剤を吹きかけて透明帯を溶かす方法、透明帯にレーザーを照射する方法、ガラス管で透明帯に穴を開ける方法、メスで透明帯を切開する方法などがあります。

以前アシステッドハッチングを行うと妊娠率が高くなることが報告され、一時レーザーハッチングの器械が普及しましたが、最近は効果を認めないと言う報告も増えています。

必ずしも一様に妊娠率が上昇するわけではなく、特に若年層の場合は差がなく、症例を選んで行うべきとされています。例えば何回も胚移植しても妊娠しない場合、高年齢層、凍結融解胚移植、透明帯が厚いといった場合には試みても良いと思います。


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〜着床を促すために行う治療について〜

体外受精には黄体ホルモンの補充が必要となります。では詳しく説明行きます。
 
体外受精の場合は、GnRHアゴニスト、またはGnRHアンタゴ二ストを使用することが多く、そのため下垂体から分泌される黄体ホルモン(LH)が抑制されます。

その結果、妊娠維持に、必要な黄体ホルモンが卵巣から分泌されないため、その補充が必要になります。アメリカ生殖医学会は一般不妊治療の中での黄体機能不全の治療意義は認めていませんが、体外受精の時は黄体補充を行うべきとしています。

黄体ホルモンには子宮内膜を分泌期の状態にし、胚が着床しやすい環境に整える働きがあります。黄体ホルモンを注射や膣座薬、内服薬などで補充して行きます。黄体ホルモンが必要であることは明らかですが、卵胞ホルモンが必要であるのかは色々意見があります。

卵胞ホルモンは子宮内膜の黄体ホルモン受容体の発見に必要であり、採卵周期では黄体期中期に卵胞ホルモンは急速にて低下し出血の原因になる事もあるため、投与した方がいいと言う考えもあります、また内因性の黄体ホルモンや卵胞ホルモンを分泌させるためにhCG(ヒト絨毛性ごアドトロンピン)の注射をする事もあります。

しかし、hCGは以前説明した卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の発生を誘発させる可能性もあり、採卵数が多い時は慎重に投与した方が良いでしょう。

現在、黄体補充に効果があると世界で評価されているのは、黄体ホルモンの注射と膣座薬です。この両者の間には効果の差はありません。さらにこの両者にhCGを加えると妊娠率は上昇するとされていますが、前記のようにhCGはOHSSの可能性も上昇させるため慎重に行うべきとされています。

膣座薬の場合は血中プロゲステロンの濃度はあまり上昇しませんが、子宮内のプロゲステロン濃度は注射の30倍にもなります。これら黄体ホルモンの妊娠中の投与により胎児に異常が発生することはありません。

移植後2週目に妊娠判定を行いますが、妊娠反応陽性であれば、妊娠維持のため黄体ホルモン投与も継続されます。

体外受精を終えると、恐らく「病院にくる以外は普段通りに生活して下さい」と医師より言われる方が多いのではないでしょうか。でも普段通りって???医師や看護師は説明をする時に普段通りと言う言葉をよく使うと思います。

私の普段を知らないのに、普段通りって??と思う方もいるでしょうし、普段通りと言われたら何も聞けず「はい」と返事のみして帰る方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、普段通りではなく、してはいけないまでは言いませんが、やらない方がいいことなどを注意事項として上げていきます。

①喫煙は避けます。

喫煙は着床時期に限らず妊活中よりおすすめしません。喫煙習慣は生殖機能を脅かします。    

喫煙が卵巣機能にとって有害であることは数多くの研究結果から明らかであり、卵巣機能の障害の程度は喫煙量と喫煙期間に依存すると考えられています。

喫煙者全てが不妊になるということではありませんが、やはり喫煙期間・喫煙量が多い方は、非喫煙者よりも妊娠しにくい身体になると思います。

タバコに含まれるニコチンや他の有害化学物資が排卵に関係する女性ホルモンである卵胞ホルモンや黄体ホルモンの産生を抑制し、また卵子の遺伝子異常を引き起こします。このため、卵胞閉鎖する過程が加速し、若年で閉経に陥ることもあり、喫煙者の閉経が早いことがわかっています。また活性酸素の発生により卵子の質の低下が促進されます。

②体外受精の周期中は、食生活の変化やダイエットは避けます。

激しい運動は妊娠率を低下させます。
  
1日に60分以上運動する人は排卵障害の発生率の上昇と相関があると言われています。また、1週間に7時間以上の有酸素運動は排卵障害の不妊と関係があるとの報告や、1週間に4時間以上運動しているか方の体外受精率の成功率が低下し、ウォーキングでも体外受精の中止は2.0倍に着床障害は2.1倍に増加するという発表もあります。

特にジョギング、ランニング、エアロビクス、トレッドミルなどをしている方の分娩率は30%低下します。

激しい運動不妊と関係する理由としては、黄体期のプロゲステロンの産生が低下し、黄体機能不全になりやすいこと・黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FHS)の分泌、卵胞ホルモンの産生、代謝の変化の結果、排卵障害を引き起こすこと・肥満遺伝子産物であるレプチンの値の変化、体脂肪率の低下などが考えられます。

1週間にウォーキングより強い運動を4時間以上している人は、体外受精の妊娠率が低下します。
  
厚生労働省の「妊産婦のための食生活指針で」では、妊娠前から主食・主菜・副菜を組み合わせ、栄養バランスの取れた食事を取ることが推奨されます。胚移植後に限った話ではありませんが、1日3食常日頃よりバランスの良い食事を心がけて見てください。


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③カフェインの入った飲料は、1日2杯までとします。アルコールは控える。
  
妊娠中にお酒を飲むと、生まれてくる赤ちゃんに「胎児性アルコール症候群」を引き起こし、発育の遅れなどが出る可能性があります。胚移植後、まだ妊娠前の時期であってもアルコールの摂取は控えるほうが安心でしょう。

また妊婦さんがカフェインを過剰摂取すると、お腹の赤ちゃんの発育に影響が出る可能性も指摘されています。コーヒーや紅茶などの飲み過ぎには気をつけましょう。最近では、ノンカフェインのコーヒーなどもありますので、どうしても飲みたいときはそちらをお飲みになる方が良いのではないでしょうか。

④性行は避けます。
  
これは性感染症(STD)に感染しないようにするためです。病院では、普通に性行為を行っても構いませんよ、と言われると思います。

⑤卵巣の腫れによる不快感がなければ、通常の運動は続けても構いません。
⑥熱いお風呂やサウナには入らないようにします。
⑦ビタミン剤や葉酸などのサプリメント服用する。

⑧ストレスを溜めない

なかなか妊娠しない、早く妊娠したい、周囲からの期待など、精神的ストレスがあると妊娠しにくいこともあります。高度のストレスによってホルモン産生機能が障害されることが報告されています。

ストレスを軽減するヨガやアロマセラピー、その他の趣味などを取り入れ、妊娠のことを忘れる時間を持つ事も大事です。。不妊カウンセラーに相談したりする事も気持ちを楽にするので良いです。

私は、着床時期は妊娠検査薬を使用したり、スマホで検索ばかりしないようにするために旅行に行き気分転換を図ったりしました。後々考えてみると、流産も含めて5回妊娠歴がありますが、その内着床時時期に旅行に行っていたのが3回もありました。

偶然や治療の結果だと思いますが、いつもと違う環境にあり非日常を送る事で、ストレスが軽減されよかったのかなと思います。それに、笑顔で過ごせたことが一番だと思います。笑う門には福来たるです!!

後は、余談ですが私は、ちょうど着床時期にプールに行きました。医師に確認すると「行ってもいいか」と確認すると「う〜ん」と言う反応でしたが・・・。やはり妊娠には至らなかったです。冷えも妊娠には天敵ですね。

ここまで色々と書きましたが・・・。インターネットの情報ばかりにとらわれないでくださいね。インターネットからの情報は一つの参考意見として捉える程度にして下さい。医療は日々進歩しています。

ここでこうやって書いていても全世界で多くの論文が発表されていて、今見たことがもう古い情報・間違っている情報になる事もあると思います。自己判断で行うよりも、通院している病院の医師や看護師に相談するのがベストだと思いますよ。


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