【妊娠できない原因は?】

1年以上妊活をしているのに妊娠に至らない場合、女性もしくは男性側になんらかの不妊原因があると疑われます。不妊の要因は人によって様々で、決定的な不妊の要因が自分の体にあるとそれを取り除かない限り、やみくもに何かしても子どもを授かるのは困難。

自分の不妊の原因がいったいどこにあるのか、正確に知りそれを治療していくことが近道です。近年では赤ちゃんを希望するカップルの10から15%が不妊、健康なカップルの1割以上が不妊に悩んでいるというデータがあります。

また、女性の加齢と不妊は大きく関係していて、不妊の割合は20歳代前半までは5%以下でも、20歳代後半より9%前後の不妊率になり、30歳代前半で15%、30歳代後半で30%、40歳以降では約64%が自然妊娠が難しいとされています。

【女性の不妊原因は大きく分けて5つ】

女性の不妊症の原因には、排卵障害などの①排卵因子(はいらんいんし)、卵管の閉塞、狭窄、癒着による②卵管因子(らんかんいんし)、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、先天奇形などからくる③子宮因子(しきゅういんし)、子宮頸管炎、子宮頸管からの粘液分泌異常などを含む④頸管因子(けいかんいんし)、抗精子抗体などの⑤免疫因子(めんえきいんし)などがあります。

特に排卵因子、卵管因子、それと男性側の不妊の原因である男性因子は発生頻度が高いとされていて、不妊症の3大原因と言われています。


スポンサードリンク


【排卵因子とは】

月経周期が25日から38日で、基礎体温がきれいな低温期、高温期の二層構造になっている場合は心配ありませんが、それよりも極端に長かったり短かったりする場合、ホルモンバランスが崩れていたり、排卵が行われていないことがあります。

例えば、月経の間隔が39日以上空く、逆に極端に短く24日以内に来る人は要注意。また、正確な周期で月経があっても、排卵を伴わない無排卵月経である可能性もあります。

肥満すぎる場合や、逆にやせ過ぎでも月経周期の異常が起こることがあります。排卵障害の原因は様々ですが、プロラクチンという母乳を分泌させるホルモン過多による高プロラクチン血症によるものや、卵巣内の男性ホルモンが多くなり、卵胞が発育するのに時間がかかってなかなか排卵しない多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)によるものがあります。

また、環境の変化等に伴う大きな精神的ストレス、あるいは短期間に大幅なダイエットをした場合にも月経不順をおこして、不妊症になる可能性があります。

日本人の女性は一般的に45歳から56歳の間に閉経を迎えますが、まれに20歳代や30歳代にもかかわらず卵巣機能が極端に低下し、無排卵になってしまう早発卵巣不全も不妊症の原因になります。

【卵管因子とは】

卵管に何らかのダメージを受けると、卵巣から飛び出す卵子をうまくキャッチできなくなったり、卵管の中を子宮までうまく卵子を運べなくなり、不妊症の原因となります。

細菌感染による卵管炎や、卵管内に分泌物や膿がたまって腫れる卵管留水腫、子宮内膜と同じような組織が卵巣や卵巣周囲、子宮の筋肉の中などで増殖する子宮内膜症が主な疾患です。

淋病や性器クラミジアなどの感染症は、卵管の閉塞や、卵管周囲の癒着によって卵管に卵子が取り込まれにくくなるために不妊の原因に。

特に女性はクラミジアにかかっても無症状のことが多く、感染に気づかないことがあります。また、虫垂炎など骨盤内の手術を受けた経験がある人も、卵管周囲の癒着がみられることがあるので検査が必要です。

【子宮因子とは】

子宮筋腫や子宮内膜ポリープがあると子宮内の変形がおこり、精子の卵管への移動や受精卵の着床が妨げられ、不妊症の原因になると考えられます。

月経量が多く、血液検査で貧血を指摘された人は子宮筋腫、中でも子宮の内側へ隆起する粘膜下筋腫の疑いがあります。粘膜下筋腫は受精卵の子宮内膜への着床障害によって不妊症になります。

なお、子宮筋腫は着床を妨げるだけでなく、精子が卵子へ到達するのを妨げて妊娠しにくくなることもあります。子宮内膜ポリープも着床障害の原因になります。

子宮内腔に癒着をきたし、月経量が減少する状態をアッシャーマン症候群と呼び、着床に影響することも。ただ、すべての子宮筋腫やポリープが影響するわけではなく、腫瘍の位置や大きさによります。
 

スポンサードリンク


【頸管因子とは】

頸管とは子宮の入り口にある膣と子宮腔をつなぐ部分です。通常、膣内は細菌の進入を防ぐために酸性に保たれていますが、排卵期にはアルカリ性で卵白のような、粘り気のある頸管粘液が分泌され、精子を通りやすくしてくれます。

通常、排卵期にこのおりものによって精子が子宮内に入りやすくなるはずが、分泌が不十分だと精子の侵入がを妨げ、妊娠しにくくなってしまいます。

子宮の奇形や子宮頸部の手術、子宮頸部の炎症などにより、頸管粘液量が少なくなると、精子が子宮内へ通りにくくなり不妊症になります。

【免疫因子とは】

何らかの免疫異常により、受精や着床を妨げることがあります。身体の防御機能が本来害ではないものに対して過剰に反応し、排出しようとする免疫機能の異常。

卵子や精子に対しても起こることがあります。精子に異常を与えるような抗精子抗体(こうせいしこうたい)と呼ばれる抗体を持っている女性は、射精された時は問題がなかった精子が頚管粘液に触れると動かなくなったり、受精する能力がなくなることがあります。

特に精子の運動を止めてしまう精子不動化抗体を持つ人は、抗体が頸管粘液内にも分泌され、元気が良い精子でも通過を妨げてしまいます。

また卵管内にも精子不動化抗体は分泌され、人工授精で精子を子宮腔の奥まで注入しても、卵管内でその通過が妨げられてしまいます。受精の場面でも、精子不動化抗体は精子が卵子と結合することを妨害し、不妊症になることがあります。

【原因不明の不妊】

検査をしても、どこにも明らかな不妊の原因が見つからない場合は原因不明不妊といわれます。原因不明不妊は不妊症の3割をしめるといわれていますが、原因がないわけではなく、検査では見つからない原因が存在すると考えられます。

何らかの原因で精子と卵子が体内で受精していない場合、精子や卵子そのものの赤ちゃんを作る力が低下しているか、なくなっている場合です。このような場合は人工授精や体外受精治療が必要となります。

加齢などが大きく影響していると考えられていて、原因不明不妊は夫婦の年齢が上昇すると一般に割合が高くなることが報告されています。この能力は年齢とともに低下し、女性の場合だいたい37歳から45歳でなくなってしまいます。

いったん精子や卵子の力が消失してしまうと、現時点の医学では有効な治療はほとんどありません。そうなる前に治療を開始することが唯一の対処法なのです。

【生活習慣などからくるその他の原因】

夜更かしをする習慣のある人はホルモンバランスが乱れて不妊の一因となっているかもしれません。卵子をつくりだす卵巣は、夜8時に寝るといわれるほど休息が必要な器官で、ホルモンバランスの影響を受けやすいといわれています。

特に排卵日前後は無理をせず、早めに帰ってゆっくり体を休ませることが必要です。良質な睡眠をとることは、体の疲労をとるのに効果的です。慢性的な冷えのある人も要注意。

排卵や月経を促すホルモンは、脳や卵巣から分泌され、血液の流れによって体全体に運ばれます。冷え性だったり運動不足になると血流が悪くなり、必要な場所にホルモンや栄養が届かなくなるなど、妊娠しにくい体質になります。

高温期に36.5度以下だと妊娠しにくくなるといわれているので、特にお腹周りや足元を温めて、ゆっくり湯船に浸かるなど対策が必要です。

【どれにも当てはまらない場合は男性側に不妊の原因がある可能性も】

不妊の原因は主に女性にあるという先入観がありますが、実は不妊カップルの約4~5割は男性因子によるものだという報告があり、男性不妊が少ないとは言えません。

男性因子として、精液量が少ない、精子数が少ないまたは精子がいない、精子の動きが悪い、形の悪い精子が多い、精液中の白血球が多いなどの場合があります。

一般男性の15%が発症し、男性不妊の40%以上をしめるといわれている疾患で精巣周辺の陰嚢部に発達した静脈に拡張したこぶができる精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)は、精子の運動率が低くなったり、精巣の機能を低下を引き起こします。

あらかじめパートナーにも検査を受けてもらい、原因の有無をはっきりさせておくことも大切です。