妊娠初期に、なぜ多くの妊婦さんが立ちくらみ、めまい、ひどい動悸を訴えるのでしょうか。

お腹の中の赤ちゃんに栄養を送るため、慢性的に貧血や栄養失調になるせいだと一般的には解釈されていますが、ストレスによる自律神経の乱れや、脱水症状、低血圧、さらに「つわり」が重症化した妊娠悪阻も要因となっているのです。

それらの症状の対策や改善策はあるのでしょうか。今回は原因の概要や、対処方法について説明します。

体調が不安定な妊娠初期。「つわり」の症状で多いものは?

妊娠初期の「つわり」の症状として、立ちくらみ、めまい、ひどい動悸の症状を訴える妊婦さんが多くみられます。私自身も軽症ではありますが、左記の症状による倦怠感が気になり、なかなか仕事や家事に集中できなかった時期があります。

やらなければいけないことが沢山待っているのに、つわりが苦しくて手が進まない。本当に辛い日々ですよね。

一体、それらの症状を引き起こしてしまう原因は何があるのでしょうか?

「つわり」に起因する上記症状の原因は、一般的に貧血であるといわれていますが、近年ではホルモンバランスの乱れが自律神経に刺激を与えることで症状を引き起こしてしまうと考えられています。

また体温が上昇することによる急な発汗や水分不足による脱水、低血圧および低血糖、妊娠悪阻(おそ)と様々な要因が関連しているので、何が原因なのかを探し出し、対策につなげていく行動が重要です。


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5つの原因の仕組みを知っておこう。

貧血の原因とその対策!意識して鉄分補給を心がけよう。

まず貧血が起こる要因としては、妊娠によって循環血液量が急に増加することで、赤血球やヘモグロビンの量は変わらないのに血液の水分が増えていくので、血液の濃度が薄くなってしまうことがあげられます。さらに、日に日に大きく成長していく胎児に栄養を送らなければいけないので、必然的に母体の栄養量は少なくなってしまいます。

つわりで食事が取れない日々が続くと、栄養不足になり貧血の症状を加速させてしまうこともあります。

妊娠中に見られる貧血の症状は「鉄欠乏症貧血」といい、その名の通り鉄分が不足することで血液中のヘモグロビンが生成できなくなってしまいます。

ヘモグロビンは全身に酸素を送り込む働きがあるので、それらが減少すると酸欠状態となり、めまいや立ちくらみ、動悸を引き起こしてしまうことがあります。貧血は自覚症状がないので、妊婦検診時の血液検査で初めて判明する場合もあります。

対策法としては、動物性食品に多く含まれているヘム鉄を積極的に摂取することです。ただし身体への吸収率が低いので、鉄分の吸収を促進する食品も取り入れていきたいところです。病院処方の鉄剤や鉄分配合のサプリメントを活用することも、つわりで食事が取れない場合に効果的です。

ホルモンバランスと自律神経の乱れの関係を知っておこう!

ホルモンバランスの乱れと自律神経の不調の関係については、自律神経の動きは交感神経と副交感神経の切り替えによって体内の機能を操って、また数多くのホルモンの動きにも刺激されて、体調に変化をもたらします。自律神経の動きが正常な状態だと、心身が健康な状態でいられるのです。

しかし、妊娠することによって自律神経の切り替えが急にうまく働かなくなってしまいます。胎盤や乳房が発達してホルモンバランスにも変化が起こり、その狂ったホルモンバランスによって、立ちくらみやめまい、動悸などを生じてしまいます。

対処法としては、症状を強く感じた時は無理せず、安静にして過ごすことです。身体の不調によるストレスで不眠気味になることもありますが、なるべく規則正しい生活を心がけて、睡眠のリズムを整えることも大切です。

脱水症状の原因とその対策!放置すると危険な理由とは?

脱水の初期症状として、めまいが現れることがあります。発汗時や、つわりで水分を受け付けることができない場合には体内の水分量が不足してしまいます。このように水分補給が満足にできていない時は要注意です。

脱水症状が悪化すると、酸素不足や老廃物の排出がうまく行われないことによって意識障害、昏睡状態、さらに血栓塞栓症の危険性もあるので、もっとも気をつけなければいけない恐ろしい病なのです。

対策法としては、こまめな水分補給を心がけることです。つわりで水分を受け付けない場合でも、一気に量を飲まなくてよいので少量でも口に含む習慣をつけていくことで、脱水症状を防ぐことができます。経口補水液の利用もおすすめします。


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高血圧を気にしてしまうけれど、低血圧にも対策しよう!

妊娠中は高血圧への注意喚起をよく聞きますが、低血圧も体調を崩してしまう要因のひとつです。貧血によって血圧が低下する、またはつわりの症状による水分摂取量不足も低血圧の原因です。

高血圧と比べて症状をあまり感じないことが多いのですが、立ち上がった際や急な動作をとると、めまいや立ちくらみが現れてしまうことがあるのです。

一般的には高血圧に特に気を付けなければいけないが、低血圧はさほど気にしなくても良いかな?という認識を持っている方が多いと思います。たかが低血圧、とあなどってはいけません。

少しでも健康不安を少なくして妊娠生活を過ごしていくために、血圧の改善に気を付けることが重要となります。

血圧をできるだけ正常値にするためには、水分を摂取することと、貧血の予防を心がけることです。しっかりと睡眠時間を確保することも忘れないことです。

妊娠悪阻の原因とその対策!つわりとの違いは?

つわりの状態の中で、もっとも体調不良が悪化してしなう妊娠悪阻によっても立ちくらみやめまい、動悸が起こることがあります。吐き気や嘔吐が続くことで飲食することが非常に困難となり、栄養不足と脱水症状を引き起こしてしまいます。

つわりは胃腸症状が主ですが、妊娠悪阻は重度の場合は脳症状に陥る危険性があるので、入院治療によって改善を図ることが望ましいとされています。

妊娠悪阻の原因は現時点では明確なものはありませんが、つわり同様にホルモンバランスの乱れや代謝、精神状態の変化が原因とも言われています。

多胎妊娠、胞状奇胎、妊娠高血圧症候群の疑いがある人や、前回の妊娠時に妊娠悪阻になった人は症状が現れやすいともいわれています。

妊娠悪阻と診断をされた場合は入院で治療を行うこととなり、脱水や栄養失調状態、心身の不安状態を改善させていきます。食事指導、食事が困難な場合は輸液療法、妊婦の抑うつ状態や不安を和らげる精神療法、左記の療法でも改善が難しい場合は薬物療法を取り入れます。

病院での治療や管理によって母体を守ることが最優先ですので、つわりがひどい、重いと感じたら早く病院を受診しましょう。

まとめ

妊娠初期の立ちくらみ、めまい、動悸は複数の身体的症状によって引き起こされる場合もあります。どの症状からくるものなのかは、自分では判断できない部分もあるのでまずは医師に相談することから始めましょう。

妊娠初期で特に辛いのは急な体調変化に心身が付いていかないことですが、しっかり栄養と睡眠を取り、精神を安定させることを心がけていれば、症状を恐れることはありません。心穏やかなマタニティライフを応援しています。